
SOUL INK

かつて一人の侍がいた。
やがて彼の名も、その体も土に帰ったが、
彼の魂だけは今も静かに息づいている。
炭の粉にまじり、滲んだインクの黒の奥で
魂が燃え続けている。
そして今、炭の香りが、かすかに立ちのぼる。
その姿を見る者は、何かに背筋を正される。
それが恐れか、敬意か、あるいは――自分の中に残る「まこと」への呼びかけか。
彼はもういない。
だが、墨は記憶している。
そして紙の上に蘇り、刻まれる──
「己に勝て」

THE SHOGUN / Kirishima Jakuren
THE SAMURAI / Kaburagi Genshin
侍:鏑木 玄真(かぶらぎ げんしん)
─主君を守れなかった忠義の鬼
その日、城は炎に包まれ、主君の首は敵の手に渡った。最後の護衛であった黒兵衛は、主の最期を見届けるしかなかった無念から、顔を覆う仮面をつけ続けるようになった。以後、彼は忠義という鎖に囚われたまま、誰の命令でもない“仕えぬ主”を心に掲げ、戦い続けている。


THE RONIN / Hanyū Sōgen
浪人:羽生 奏玄(はにゅう そうげん)
─己の家を斬り捨てた放浪者
惣十郎は大名の家に生まれた。しかし、弟の陰謀で父と兄が討たれ、自らも罪を被せられる。家を捨て、名を捨て、今は流れ者として各地を彷徨う。表情は静かだが、瞳の奥には一族を裏切った弟への復讐の炎が宿っている。
THE ASSASSIN / Kiriko
刺客:桐子(きりこ)
─名を持たず、過去を語らぬ影
彼女の名を知る者はいない。かつては修道の寺にいたが、ある日、寺は何者かに焼き払われ、師と兄弟弟子を失った。焼け跡で唯一生き残った彼女は、感情を封印し、敵の名も報復の言葉も持たず、ただ静かに“命令された標的”を消し続けている。
闇に生まれ、闇に生き、そして──闇に帰る。


THE NINJA / Kagura no Kage
忍者 — 神楽ノ影(かぐら の かげ)
─主を裏切った影
幼い頃から“見えぬ者”として育てられた彼は、一人の大名に仕え、影として命を奪う術を磨いてきた。 だがある日、自らの一族を滅ぼした黒幕が、その大名自身であったことを知る。 その夜、神楽ノ影は姿を消した。血と煙だけを残して。 今、彼は闇の中から現れる。金のためではない。復讐のために──。
THE MONK / Myōgen
僧侶:(みょうげん)


THE OIRAN / Tsuki-gasumi
花魁:月霞(つきがすみ)
─『月も霞もぬ定め触れられぬ定め』
かつて、月のように儚く、美しい「伝説の花魁」がいた。
夜が深くなるほどに、その気配は淡く、夢のように遠のいていった。
今もその名は、薄く漂う香のように語り継がれている。
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